今も昔も。

米津玄師という歌手がいる。デビュー前にはWebサイトのFlashアニメーションに影響を受けたという。ネットは悪い、ネットは子供に悪影響を与えるからダメだという話もよく聞くが、本当にそうなのだろうか。

 

ネットをどう使うかを教えるのが親の役目だとも言える。自分の子供の頃はネットはなかったが親が「ファミコンはゲームしかできないやろ、パソコンを買ったる」と言われて小学生の俺にMSXを買ってくれた。

小学生の俺にMSXはかなり衝撃的だったが、とりあえずパソコンが何なのか、何ができるのかは考えずに自分でビデオケーブルから接続することを学んだ。ゲームはROMカセットやテープ(データレコーダ)からデータを再生すればできたが、あの頃は「なぜゲームができるのだろう」という疑問には至らなかった。

至らなかったが、手を動かして覚えるしかなかった。テープも音楽テープが使えることも、その音楽テープにパソコンのデータが記録できることも知った。今なんてUSBメモリでやり取りするか、メモリさえ介さずにネット経由でデータのやり取りができる。音楽データも映像も。

しかし、なぜそうできるのかを皆はあまり知らない。そこをなぜできるのかを知ることこそがクリエイターの一歩ではないかと思う。画像ファイルがどうしてできているのか。なぜMP3があるのか、MP3とWAVファイルがどう違うのか。AACファイルとの違いは。音源はPCMやらPSGの何が違うのか。MIDIFM音源とは。ボカロはどうやって生まれたのか。

 

全てコロンブスの卵ではあるけれど、なぜと考えることが次のコロンブスの卵になるのかもしれないのだ。